森の芸術祭 晴れの国・岡山|新見/満奇洞・井倉洞エリアの作品を紹介

満奇洞アイキャッチ アート

先日、岡山県で開催されている「森の芸術祭 晴れの国・岡山に行ってきました!
(「森の芸術祭」の概要については最後にまとめております)

この記事では全ての会場のうち、新見/満奇洞(まきどう)・井倉洞エリアについてご紹介してまいります。

新見/満奇洞・井倉洞エリア

新見市は岡山県北西端部に位置し、満奇洞(まきどう)と井倉洞(いくらどう)があり、圧巻の自然の造形と四季折々の景色を楽しむことが出来る観光地として知られています。

満奇洞

満奇洞(まきどう)は、岡山県新見市の阿哲台(豊永台)にある岡山県指定天然記念物の鍾乳洞(石灰洞)である。二次生成物の発達した鍾乳洞として知られる。槇の穴/槙の穴(まきのあな)とも呼ばれる。

満奇洞の案内マップ
満奇洞の案内マップ

満奇洞 映画「八つ墓村」ロケ地
映画「八つ墓村」のロケ地となったことでも有名です。

蜷川実花 with EiM【深淵に宿る、彼岸の夢】M20-a

蜷川美香 with EiM     NINAGAWA Mika with EiM

写真家・映画監督。データサイエンティスト宮田裕章(ひろあき)、セットデザイナーENZOらと結成したクリエイティブチーム「EiM」として映像、空間インスタレーションなど多岐にわたる表現を手掛ける。

蜷川は日常の中にある儚い美しさを永遠の存在として昇華させてきた。強いコントラストと鮮やかな色彩で生み出されるその世界は、観る者の心に忘れることのできない強烈な印象を与える。

「深淵に宿る、彼岸の夢」(2024)は鍾乳洞を舞台に展開される大規模インスタレーション作品である。この作品は、異世界へ入る過程で現実の境界を越え、鑑賞者の深層にあるさまざまな感情を呼び起こす。与謝野鉄幹、晶子夫妻が満奇洞を訪れた際に「冥府の路を辿るよう奇怪な光景」と評したように、この作品は、自然がつくりあげた鍾乳洞を巨大な舞台に見立て、黄泉めぐりのように過去と現在、夢と現実が交錯する独特の感覚を体験させるものである。単なる視覚的な美しさにとどまらず、自らの存在や死生観を見つめなおすきっかけとなる。

会場内パネルより抜粋、一部改変

蜷川実花 with EiM【深淵に宿る、彼岸の夢】M20-a-1 蜷川実花 with EiM【深淵に宿る、彼岸の夢】M20-a-2 蜷川実花 with EiM【深淵に宿る、彼岸の夢】M20-a-3

蜷川実花 with EiM【深淵に宿る、彼岸の夢】M20-a-4
蜷川実花 with EiM【深淵に宿る、彼岸の夢】

ふれあいセンター満奇

「ふれあいセンター満奇」内の案内
「ふれあいセンター満奇」内の案内。外観は取り忘れました。

杉浦慶侘 (けいた)【新見山】M19-a

杉浦慶侘 Keita Sugiura

写真家。教師を目指し進学するも、中平卓馬や大森大道が在籍していた「Provoke」の写真表現に出会い、自身でも作品制作を始めて現在に至る。

自らが育った土地である岡山での撮影にこだわり「人間と自然の関係性」をテーマに活動を続けている。特に、人間によって造られた奇妙な自然のあり方に関心を持ち、現在は新見市の人工林の山々を中心に撮影を行っている。

今回は新見の山を撮影したシリーズ「新見山」から6点を展示。古来より、山は天候を司る象徴として人々に神聖視されてきた。杉浦にとっても、山は常に身近な存在である一方、恐怖と畏怖の対象だった。しかし、実際にはその山が人工林であり、神性が失われたと知ったときの驚きが、制作のきっかけとなっている。大判カメラで撮影された夜の山々や鬱蒼と生い茂る木々、そこに漂う静けさは、私たちが抱く自然の山そのものである。しかし、これらは人間の手によって作られた自然であり、人間の活動が地球環境に与える影響について深く考えさせられる。

会場内パネルより抜粋、一部改変

けんぞう
杉浦慶侘 氏は、杉浦「慶太」と書かれてしまっていることが多いみたい‥‥
杉浦慶侘 (けいた)【新見山】M19-a-1 杉浦慶侘 (けいた)【新見山】M19-a-2

杉浦慶侘 (けいた)【新見山】M19-a-3
杉浦慶侘 (けいた)【新見山】M19-a

まなびの森 新見図書館

 正式名称は新見市立中央図書館。新見文化交流館(まなび広場にいみ)を併設しており、地域の文化交流の場となっています。

まなび広場にいみ まなびの森 新見図書館
まなび広場にいみ まなびの森 新見図書館

まなびの森 新見図書館 新見文化交流館 ふれあい広場
まなびの森 新見図書館 新見文化交流館 ふれあい広場

マイケル・リン  Michael Lin【スタンダードカラー2024】M21-a

絵画を瞑想的な空間ではなく、私たちが実際に住むことができるような境界を持つ物理的な空間として捉え、公共空間を再構築するようなモニュメンタルな絵画のインスタレーションを発表している。

日本で生まれ、台湾、アメリカで育ったリンは、90年代初頭に台湾に戻り、アーティストとしての活動を始めた。台湾の伝統的なテキスタイルを公共空間に拡大して描くことで、その模様がもつ意味を転移させる絵画表現を確立。またリサーチを通じて制作する地域の伝統や文化的モチーフ空間の特徴や場所との関係性を取り入れた制作も行う。

今回は新見市でのリサーチ中に訪れた呉服店で店主に見せてもらった草木染染色図鑑(栗山工房 二代目 栗山吉三郎 作)から着想を得た作品を展開する。建物の吹き抜け空間に描かれる本作は会期終了後も継続展示され、図書館という公共施設に新たな空間を生み出す。

パーマネント作品に金沢21世紀美術館、十和田市現代美術館、別府市「ALTERNATIVE STATE」など。

会場内パネルより抜粋、一部改変

マイケル・リン 【スタンダードカラー2024】M21-a
マイケル・リン 【スタンダードカラー2024】M21-a

井倉洞

井倉洞 240mの断崖絶壁
井倉洞 240mの断崖絶壁

井倉洞の入り口
橋を渡って、井倉洞の入り口です。

アンリ・サラ Anri Sala 【未来はかすかに響く歌】 M18-a

映像、音楽、空間の交錯に焦点を当て、視覚と聴覚の相互作用を探求するような作品で知られる。また、歴史的、社会的背景をテーマにもつ作品が多く、個人の記憶や集団の記憶そしてそれらがどのように体験されるかに関心を寄せている。

サラの作品は、視覚と聴覚が微妙にずれたり、シンクロすることで、観客に不安感や新しい認識をもたらすように設計される。また楽器や音楽家とのコラボレーションを通じ、音楽の物理的、感情的な側面を探究することにも力を入れている。

今回は、岡山県指定天然記念物であり全長1200メートル、高低差90メートルにおよぶ鍾乳洞、井倉洞でインスタレーション作品を展開する。鑑賞者は作品の一部としてのリュックを背負い、サラによって演出された洞窟の中へ足を踏み入れる。洞内では、サウンドとライトが鑑賞者とインタラクティブに反応し、まるで未知の洞窟探検をしているかのような、視覚と感覚の感覚的没入を体験する。洞窟の最終地点には映像作品が展示され、クライマックスを迎える。長い年月をかけて自然が形成した鍾乳洞に流れる時空間に寄り添いながら、新たな感覚的体験を味わうことができる。

会場内パネルより抜粋、一部改変

アンリ・サラ Anri Sala 【未来はかすかに響く歌】 M18-a ハンドライト
スピーカーとハンドライトを渡されて、2名~のチームで出発。

アンリ・サラ Anri Sala 【未来はかすかに響く歌】 M18-a 洞窟内ライトで洞窟内を照らしながら進みますが、ライトが消えると真っ暗。めちゃこわいです。

アンリ・サラ Anri Sala 【未来はかすかに響く歌】 M18-a にーみん新見市のマスコットキャラクター、にーみん。グッズ展開が本気です。めちゃかわよいので見てみてください。
グッズ|にいみ公式観光ホームページ

井倉洞 エイリアンを彷彿とさせる内壁
エイリアンの世界観を彷彿とさせる内壁。「エイリアン:ロムルス」こんど観に行きます。

井倉洞 とうせんぼう
井倉洞名物「とうせんぼう」です。お土産のお菓子を作ったら人気が出そうですね^^

井倉洞 映像作品
井倉洞最奥部(?)に映し出される映像作品。

アンリ・サラ Anri Sala 【未来はかすかに響く歌】 M18-a JBLのスピーカー
背負っていたのはJBLのめちゃええスピーカーです。多分CHARGE5のブルーとブラック。

「森の芸術祭 晴れの国・岡山」概要について

けんぞう

鋭意作成中…

 

レポートは以上です!
他にもいろんな展示会のグッズを紹介しているので見てください~