先日、岡山県で開催されている「森の芸術祭 晴れの国・岡山」に行ってきました!
(「森の芸術祭」の概要については最後にまとめております)
この記事では全ての会場のうち津山エリアについてご紹介してまいります。
津山エリアは作品数が多いため、パート1、パート2、パート3に分けて記事を作成しております。
こちらのパート2では作州民芸館・津山まなびの鉄道館の作品を掲載します!
作州民芸館
明治42年に旧土居銀行として建築された建物を改修し、津山市を中心に作州一円で作られている民芸品、郷土玩具などを展示。2階には城西地区の歴史を物語る資料を展示し、広く城西地区を紹介する。
建物はルネサンス調で厳密な左右対称に作られており、外観・内装ともに大正時代を彷彿とさせる。2023年に、外観装飾部の石調の洗い出し加工、壁の漆喰は大正時代の塗装片などを参考に大正時代後期の青みがかったグレーの色合いを再現するなどの改修工事を行っている。
難波 香久三(かくぞう) T3-b
難波香久三 Kakuzo Namba
大阪府の史員として働きながら関西大学夜間部を卒業後、中之島洋画研究所で研鑽を積む。その作品はシュルレアリスムの影響を受けながらも現実にとどまり、「情念や想念を物語る絵画」を模索、社会批評的要素を持つ作品を展開した。
今回展示される「山を畏れる自像ー<えびこの神と共に>」は古事記に登場する案山子神を、「大法師の引越」は作者が晩年に住んだ相模原辺りに伝わる”でいだらぼっちが富士山を背負って相模原にて休憩したのちに置いていった”という伝説をモチーフとしている。
作品の主な収蔵先に板橋区立美術館、真庭市などがある。
会場内パネルより抜粋、一部改変
難波 香久三【山を畏れる自像ー<えびこの神と共に>】
難波 香久三【大法師の引越】
染谷悠子 T3-e
染谷悠子 Yuko Someya
2004年東京造形大学美術学科買いが先行卒業、2006年東京藝術大学大学院版画専攻終了。身近な風景を、自身の幼少期の思い出、生活の変化から感じ取った死、生、出産、自然などの生命の根本とからめて捉え、独自の表現を切り拓いている。ちぎったり切り出した着彩された和紙をキャンバスに何層も重ねて貼り付け、鉛筆や墨で仕上げることで作品世界を作り上げていく。
今回は、以前から研究をしていた墨の表現(主に筋目描き)を用い、岡山で見た山や星、空、水を描いた作品が展示される。岡山県矢掛町にある義理の祖母の家に長期滞在した染谷は、自然との距離の近さに驚きを受ける。「空の様子」「知でなく意でない」「トワイライト」など7点が展示される。作品は自然との深い関わりを感じさせるとともに、作者自身の内面的な探求を反映したものとなっている。
会場内パネルより抜粋、一部改変
染谷悠子 【コウモリはどこにいる】部分 T3-e
染谷悠子 【知でなく意でない】T3-e-2
染谷悠子 【探し物】T3-e-3
ムハンナド・ショノ【意味を失うことについて】T3-d
ムハンナド・ショノ Muhannad Shono
2000年、ファハド国王石油鉱物大学(サウジアラビア)デザイン・建築環境学部卒業。民間伝承やスピリチュアルな言説、神話、都市伝説などを参照しながら、スケールや媒体、コンセプト、テクノロジーの枠にとらわれない作品を制作。ストーリーテリングによって構成された作品を通じて自らのルーツである移民とも関わる「非帰属」という概念を探求している。
「On Losing Meaning(意味を失うことについて)」は、4つの脚を持つロボットが砂の上をランダムに動いていくなかで、さまざまな文様が砂に描かれては上書きされていくという作品。線が折り重なることによって生じる意味の生成と消失の連続性を通して、言語や記号の解釈の流動性について問いかける。またロボットが呼吸をするようにゆっくりと動き変容する様は、新しい言語や記号、あるいは絵画の可能性を模索、形成しているようでもある。
会場内パネルより抜粋、一部改変
川島 秀明 【Guide】【Stream】T3-a
川島 秀明 Hideaki Kawashima
1991年東京造形大学卒業後、比叡山延暦寺での2年間の仏道修行などを経て、2001年からアーティストとしての制作活動を開始。活動初期から一貫して自意識と向き合い、顔やそこに現れる繊細で複雑な感情を描き続けている。
「Guide」は、公園で女の子が作者の手を引き、遊びながら案内をしている様子であり、新しい新緑の中にいる二人の姿は、森の中に楽しく迷い込んでいく点景としての人物像という伝統的絵画の構図を思わせる。
「Stream」には、近所の公園で友人家族とピクニックをした際の波立つ池を眺める女の子の様子が描かれ、彼岸と此岸、その水面が彼女の前途を暗示しているかのようである。会場内パネルより抜粋、一部改変
川島 秀明 【Guide】
川島 秀明 【Stream】
スミッタ・G・S 【幸福】 T3-c
スミッタ・G・S (Smitha G S)
スミッタは独学のアーティストで、幼少時代に周囲に溢れていた自然のメロディの記憶に影響を受け、動物たちや自然の緻密な美に焦点を当てた作品を制作している。パンデミックによるロックダウンの際に自宅に籠っての製作の中で、幸福感に満ちた宇宙の創造に取り組むとともに社会的なテーマが作品に織り込まれ、マラバール地方の伝統芸能や儀式、それらと自然との関係性の中でかつては描かれなかった人間の姿が作中に登場することとなる。
本展で発表する作品では、多彩な森の中でさまざまな生き物と共存する人々の姿が描かれている。この独自の色彩は、自然が生み出す緻密で不思議な美しさを描き出すとともに、人間の力が遠く及ばない大自然に対する畏怖の念も表している。
会場内パネルより抜粋、一部改変
スミッタ・G・S 【幸福】 T3-c
スミッタ・G・S 【幸福】 部分
先日やったBOSKというボードゲームと木々の色彩が似ていてちょっとニヤけました…
津山まなびの鉄道館
現存するものでは国内2番目の規模を誇る旧津山扇形機関車庫にて車両、転車台、蒸気機関車の動輪などを展示。また岡山の鉄道の歴史や鉄道の仕組みを学べるスペース、津山の街並みをジオラマ展示したスペースも併設している。
国内で1台のみ製造された大馬力のエンジンを積んだディーゼル機関車DE50型の試作第一号機、「DE50-1」が保存されている。
営業時間:9:00~16:00(入館は15:30まで)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)、12/29~31
津山まなびの鉄道館 転車台
津山まなびの鉄道館 D512
ディーゼル機関車 DE501 DD16
鉄道グッズ・おみやげコーナーにいた!
JR西日本岡山支社公式キャラクターの「くまなく」・「たびにゃん」
キムスージャ【息づかい】T1-a
キムスージャ Kimsooja
1980年代にソウルの弘益(ホンイク)大学校、同大学院、パリの国立高等美術学校などで学んだ。マルチメディアを用い、1990年代からアジア文化を起点とするコンセプト性によって国際的に高い評価を受けている。女性、移民、伝統的な文化、普遍的な真理壮大な宇宙観などが評価されている。
展示する作品は、高さ8メートルにもおよぶ機関車庫内の2,188枚もの窓全てを、回析格子フィルムで覆うもの。建物内に自然光が入り込むことで、ナノスケールの十字形スクラッチというプリズムを通し、虹に変換された光のスペクトルを生み出すサイトスペシフィックなインスタレーション作品を展開する。
会場内パネルより抜粋、一部改変
キムスージャ【息づかい】T1-a
奥のガラスがフィルム貼られてもやんとしていたのですが、光のスペクトルぜんぜん生まれてませんでした…残念!!下にメチャ美しいキムスージャ氏の作品の載ったリンク貼っときます
「森の芸術祭 晴れの国・岡山」概要について
鋭意作成中…
レポートは以上です!
他にもいろんな展示会のグッズを紹介しているので見てください~